top of page
ロゴマーク

貸し農園・市民農園でよくある鳥獣被害とルールの実態|農薬が禁止・制限される理由

  • 執筆者の写真: Hidemitsu Noguchi
    Hidemitsu Noguchi
  • 7月19日
  • 読了時間: 13分

自宅に広い庭がなくても、野菜づくりを楽しめる貸し農園や市民農園。

土づくりから始め、季節の野菜を育て、採れたてを家族で味わえることから、初心者やシニア世代にも人気があります。

一方、実際に利用を始めると、自宅の庭とは異なる悩みに直面することがあります。

その一つが、カラス、ハト、モグラ、猫、小動物などによる鳥獣被害です。

もう一つが、農園独自の利用ルールです。

「農薬は使わないでください」

「資材を持ち込む前に管理者へ確認してください」

「区画の外へネットや支柱を出さないでください」

このような決まりが設けられている農園もあります。

被害を防ぎたい一方で、自分の判断だけでは対策用品を使えない。隣の区画へ迷惑をかけることも避けたい。

貸し農園では、こうした共同利用ならではの難しさがあります。

この記事では、貸し農園・市民農園で起こりやすい鳥獣被害、農薬が禁止または制限される背景、忌避資材を選ぶ際の注意点を解説します。

ECOxCOが取り扱う、天然乾燥ヒトデを使用した「マリンスター」や「もぐらバイバイ」を検討している方にも、導入前に確認していただきたい内容です。



貸し農園・市民農園とは

市民農園は、農家、自治体、農業協同組合、企業、NPOなど、さまざまな主体によって開設されています。

農林水産省によると、市民農園には、市町村が開設するもの、農業協同組合が開設するもの、農地所有者が開設するもの、農地を所有しない企業やNPOなどが開設するものがあります。運営主体や開設方式が異なるため、利用条件や管理方法も農園ごとに異なります。(⁠農林水産省)

例えば、次のような違いがあります。

  • 農薬を全面的に禁止している

  • 指定された農薬のみ認めている

  • 有機・無農薬栽培を農園の方針としている

  • 防虫ネットや支柱の高さを制限している

  • 動物用の忌避資材について事前承認を求めている

  • 匂いの強い肥料や資材を禁止している

  • 電気柵や超音波機器の設置を禁止している

  • 共同の水道、通路、堆肥置き場に独自ルールがある

「市民農園だから全国共通のルールがある」というわけではありません。

利用契約書、利用規約、栽培の手引き、掲示板などを確認し、不明な点は運営者へ問い合わせることが基本です。



貸し農園でよくある鳥獣被害

貸し農園は複数の利用者が野菜を育てるため、動物にとって餌となる作物が集まりやすい場所でもあります。

一つの区画だけを対策しても、隣の区画から侵入したり、農園全体を移動したりする可能性があります。

カラスによる収穫直前の食害

カラスによる被害で多いのが、収穫前のトマト、トウモロコシ、スイカなどをつつかれるケースです。

「明日収穫しよう」と残しておいた実が、次に訪れたときには食べられていた、ということもあります。

カラスは畑の周囲を観察し、人の出入りが少ない時間帯に近づくことがあります。

貸し農園へ週末だけ通っている場合、被害に気づくまで数日空いてしまうこともあるでしょう。

ハトや小鳥による発芽直後の被害

種をまいた直後や芽が出たばかりの時期には、ハトや小鳥が種や若い芽を食べることがあります。

土の表面を掘り返されたり、発芽した苗だけ抜かれたりするケースもあります。

種まき直後は防鳥ネットや不織布などで物理的に覆う方法が有効ですが、農園によっては支柱の高さや資材の固定方法にルールがあります。

モグラによる盛り土やトンネル跡

区画内に小さな土の山や、細長く盛り上がった跡ができている場合、モグラの活動が疑われます。

モグラは、野菜の根を主な餌として食べる動物ではありません。

しかし、地中に通路をつくることで苗の根元が浮いたり、畝が崩れたり、土中に空洞ができたりする場合があります。

なお、野菜や球根そのものにかじられた跡がある場合は、ネズミなど別の小動物が関係している可能性もあります。

盛り土があるからといって、作物被害のすべてをモグラによるものと決めつけないことが大切です。

猫による掘り返しやフン被害

柔らかく耕した土は、猫に掘り返されることがあります。

植え付け直後の苗が倒れたり、畝にフンをされたりすると、衛生面でも気になります。

ただし、農園内に猫がいるからといって、利用者が勝手に捕獲したり、傷つけたりしてよいわけではありません。

運営者へ状況を伝え、農園全体の問題として対応を相談しましょう。

ハクビシンやアライグマなどによる被害

地域や農園の立地によっては、ハクビシン、アライグマ、タヌキなどが侵入することがあります。

トウモロコシや果菜類を食べる、ネットを押し広げる、畝を荒らすなど、被害が広範囲になることもあります。

足跡、フン、侵入したと思われる隙間を撮影し、運営者へ報告してください。

害獣の種類によっては捕獲に許可が必要になるため、利用者だけで捕獲器を設置するのは避けるべきです。


なぜ貸し農園では農薬が禁止・制限されるのか

すべての貸し農園で農薬が禁止されているわけではありません。

登録農薬を適正に使うことを認めている農園もあれば、減農薬栽培を推奨する農園、農薬を原則禁止する農園もあります。

農薬の取扱いが厳しくなりやすい理由には、共同利用という環境があります。

隣接区画へ飛散する可能性がある

貸し農園では、一つひとつの区画が近接しています。

液体や粉末の農薬を散布すると、風によって隣の区画へ飛散する可能性があります。

隣の利用者が育てている作物に、その作物では使用できない農薬が付着することも考えられます。

農林水産省は、市民農園や家庭菜園を含む住宅地周辺で農薬を使用する際、飛散防止、周辺への周知、使用記録などに配慮するよう求めています。(⁠農林水産省)

特に市民農園では、不特定多数の人が出入りします。

散布中であることを知らずに、隣の区画で作業する人がいるかもしれません。

このような事情から、運営者が一律に農薬を禁止したり、使用できる商品や時間帯を限定したりする場合があります。

栽培方針の異なる利用者が隣り合う

貸し農園には、さまざまな考え方の利用者がいます。

登録農薬を適正に使いたい人もいれば、有機栽培や無農薬栽培を希望する人もいます。

農薬に対して不安を感じる人、小さな子どもと農園を利用する人、ペットを連れて来る人がいる場合もあります。

農薬の使用を全面的に認めると、利用者同士のトラブルにつながる可能性があります。

そのため、農園の理念や利用者全体の公平性を守る目的で、農薬を禁止または制限していることがあります。

共同の水路や設備がある

市民農園では、共同の水道、水路、通路、堆肥置き場、休憩場所などを使用することがあります。

資材が水路へ流れたり、共用部分へ飛散したりすると、自分の区画以外にも影響が及びます。

雨の直前に資材を大量散布したことで、隣の区画や通路へ流れる可能性もあります。

自分の区画内だけで完結するように見えても、天候や散水によって周囲へ移動することを考える必要があります。

使用方法の誤りを防ぐため

農薬は、農林水産省の登録を受けた商品を、登録された作物、病害虫、使用時期、使用量、使用回数などに従って使用する必要があります。

登録された農薬であっても、ラベルに記載された使用基準以外の方法で使うことはできません。(⁠農林水産省)

農園側が利用者全員の農薬使用を個別に管理することは容易ではありません。

誤使用や過剰使用を避けるため、分かりやすいルールとして「農薬禁止」を設定していることがあります。



「農薬=危険だから禁止」とは限らない

農薬を禁止している農園があると、「農薬はすべて危険だから禁止されている」と考えるかもしれません。

しかし、登録農薬は、使用基準に従って使用した場合の安全性などが審査され、農薬取締法に基づいて登録されています。(⁠農林水産省)

貸し農園で禁止される理由は、農薬自体の危険性だけではありません。

利用者が多いこと、区画同士が近いこと、散布の管理が難しいこと、栽培方針を統一する必要があることなど、共同施設としての管理上の理由があります。

したがって、

「農薬を使う農園は危険」

「農薬禁止の農園なら何を使っても安全」

と単純に判断することはできません。

どのような資材でも、用途と使用方法を確認し、周囲に配慮して使う必要があります。



忌避剤はすべて農薬ではない、とは言い切れない

ここは、資材選びで特に誤解しやすい点です。

一般には「農薬」と「忌避剤」を別のものとして説明することがありますが、法令上は、忌避剤が農薬に含まれる場合があります。

農薬取締法上の農薬は、化学合成物質だけに限られません。

農作物を害する病害虫などの防除を目的に使用される薬剤や資材が対象となり、農薬の分類には忌避剤も含まれ得ます。(⁠日本農薬学会)

一方、農作物への病害虫防除を目的とした農薬ではなく、庭や建物周辺などで動物が近寄りにくい環境づくりを目的とする雑貨・園芸資材も販売されています。

つまり、「忌避剤」という商品名や説明だけでは、農薬に該当するかどうかを判断できません。

また、農薬ではない資材だからといって、貸し農園で自動的に使用できるわけでもありません。

農園の利用規約では、次のように幅広く制限している場合があります。

  • 匂いの強い資材の禁止

  • 区画外へ影響する資材の禁止

  • 動物対策用品の無断設置禁止

  • 運営者が承認していない資材の使用禁止

  • 農薬、除草剤、化学肥料などの一括禁止

農薬登録の有無と、農園内での使用可否は、別の問題として確認する必要があります。



天然由来なら自由に使えるわけではない

「天然素材だから農園でも問題ないだろう」と考えるのも注意が必要です。

天然由来の資材でも、匂いが強ければ隣接区画の利用者が不快に感じる可能性があります。

雨水で流れれば、通路や別の区画へ移動することもあります。

子どもが触れたり、ペットが口にしたりする可能性も考えなければなりません。

天然由来であることは、資材を選ぶ際の一つの特徴です。

しかし、無条件の安全性や、すべての場所で自由に使えることを意味するものではありません。

使用前には、次の点を確認しましょう。

  • 農薬登録のある商品か

  • 農薬ではない場合、どのような用途の商品か

  • 作物へ直接使用するものか

  • 区画の外へ匂いや成分が広がらないか

  • 雨で流れる可能性がないか

  • 子どもやペットが触れる場所ではないか

  • 農園管理者が使用を認めているか

  • 隣接する利用者への説明が必要か



マリンスターを貸し農園で使用するときの考え方

ECOxCOが取り扱う「マリンスター」は、天然乾燥ヒトデを使用した撒布タイプの自然由来資材です。

畑や家庭菜園の周辺などで、鳥や小動物が近寄りにくい環境づくりを目的として使用します。

電池や電源を必要とせず、袋から出して撒布できるため、大がかりな機器を設置しにくい貸し農園でも検討しやすい資材です。

ただし、貸し農園で使用する場合は、自宅の庭とは異なる配慮が必要です。

野菜へ直接振りかけない

マリンスターは食品ではありません。

野菜の葉、実、可食部分へ直接振りかけるのではなく、使用目的や商品表示を確認して、畑の周辺や侵入が疑われる場所で使用します。

区画内に収まるように使用する

隣の区画、通路、共同水路へ流れない場所を選びます。

傾斜のある区画や大雨が予想される日は、雨水による移動にも注意が必要です。

匂いへの配慮をする

天然乾燥ヒトデを使用する資材には、原料由来の匂いがあります。

自分では気にならなくても、隣の利用者が不快に感じる可能性があります。

区画の距離が近い農園では、事前に運営者へ相談してください。




モグラの盛り土には「もぐらバイバイ」

「もぐらバイバイ」は、天然乾燥ヒトデを使用した撒布用資材です。

モグラの活動が疑われる盛り土やトンネル状の跡などを確認し、気になる場所に使用します。

貸し農園では、一つの区画だけでなく複数の区画をまたいでモグラが活動している可能性があります。

自分の区画だけに対策をすると、別の区画へ活動場所が移ることも考えられます。

そのため、モグラの盛り土が複数区画にある場合は、個人で対策を進める前に運営者へ報告しましょう。

農園全体の問題として、発生場所を確認してもらうことが重要です。

また、地面の穴や盛り土が必ずモグラによるものとは限りません。

作物のかじり跡、足跡、フンなど、ほかの痕跡も確認してください。




導入前に運営者へ伝えるべき内容

農園管理者へ問い合わせるときは、「忌避剤を使ってよいですか」とだけ尋ねるより、商品情報と使用方法を具体的に伝えると判断してもらいやすくなります。

例えば、次のように確認します。

区画内で鳥または小動物による被害が出ています。天然乾燥ヒトデを使用した撒布型の資材を、野菜へ直接かけず、区画内の周辺部分に少量使用したいと考えています。農園の利用規約上、使用しても問題ないでしょうか。

併せて、次の情報を提示するとよいでしょう。

  • 商品名

  • 原材料

  • 農薬登録の有無

  • 使用目的

  • 使用予定場所

  • 使用量

  • 匂いの有無

  • 雨で流れないための対策

  • 使用後の回収や管理方法

口頭だけでなく、商品ページやパッケージの説明を見せる方法もあります。

運営者から使用不可と言われた場合は、自己判断で使用せず、別の方法を検討してください。



共同農園では「自分の区画だけ守ればよい」ではない

貸し農園・市民農園は、隣の利用者や運営者と協力して利用する場所です。

自分の区画で問題がなくても、匂い、音、光、飛散、雨水の流れなどが、周囲へ影響する可能性があります。

例えば、超音波機器や警報音は近隣区画の人に聞こえることがあります。

反射テープや光を使う機器は、周囲の住宅や道路へ光が向く可能性があります。

防鳥ネットの支柱が通路にはみ出すと、転倒事故につながります。

匂いのある忌避資材は、休憩場所や隣の区画へ影響するかもしれません。

鳥獣被害を減らすことだけでなく、ほかの利用者が安心して作業できる環境を守ることも、共同農園では重要です。



資材を使う前にできる基本対策

運営者から資材の使用許可が得られない場合でも、できることはあります。

収穫できる野菜を放置しない

熟した実や落果は、鳥や小動物を引き寄せる原因になります。

週末しか通えない場合は、少し早めに収穫することも検討しましょう。

傷んだ野菜を片づける

食べられた実や腐った野菜を畑に残すと、動物が餌場として覚える可能性があります。

農園の廃棄ルールに従って片づけます。

防鳥ネットを正しく張る

ネットと地面の間に隙間があると、鳥が入り込むことがあります。

ただし、支柱の高さや区画外へのはみ出しについて、農園の規約を確認してください。

食品や生ごみを残さない

休憩中に食べた食品や、生ごみを区画周辺へ放置しないようにします。

肥料や米ぬかも、農園指定の場所や方法で保管してください。

被害の記録を残す

写真、日付、被害の場所を記録し、運営者へ共有します。

複数の利用者が同じ被害を受けている場合、農園全体での対策につながることがあります。



まとめ|貸し農園ではルール確認までが獣害対策

貸し農園や市民農園では、カラスによる食害、モグラによる盛り土、猫による掘り返し、小動物による作物被害などが起こることがあります。

しかし、自宅の庭と同じ感覚で対策用品を使用することはできません。

複数の利用者が隣り合い、共同の通路や水道を使う場所だからこそ、農薬、肥料、忌避資材、ネット、機器などに独自のルールが設けられています。

農薬を禁止・制限する背景には、隣接区画への飛散、共同設備への影響、誤使用の防止、栽培方針の統一、利用者同士のトラブル防止などがあります。

また、「忌避剤だから農薬ではない」「天然由来だから自由に使える」とは限りません。

忌避剤が農薬として登録されている場合もあり、農薬ではない園芸資材であっても、農園独自の規約によって使用できないことがあります。

マリンスターやもぐらバイバイを検討する場合も、商品を購入する前に農園管理者へ確認してください。

そのうえで、対象動物、区画の広さ、使用場所、隣接区画への影響を考え、必要な範囲へ適切に使用することが大切です。

「農薬禁止の農園で、どのような対策ができるか分からない」

「管理者へ商品のことをどう説明すればよいか迷っている」

「被害の原因に合う資材を選びたい」

このようなお悩みがある方は、ECOxCOへお問い合わせください。

農園のルールと被害状況を確認しながら、無理なく取り入れられる鳥獣対策を一緒に考えます。

 
 
 

コメント


bottom of page