家庭菜園は認知症予防や生きがいづくりに役立つ?シニア世代に園芸をおすすめする理由
- Hidemitsu Noguchi
- 7月19日
- 読了時間: 12分

種をまき、毎朝水をやり、少しずつ大きくなる苗を見守る。
花が咲いたら実がなる日を想像し、収穫した野菜を家族や近所の方へおすそ分けする。
家庭菜園には、野菜を育てることだけではない、さまざまな楽しみがあります。
特に、仕事を退職して生活時間に余裕ができた方や、外出する機会が以前より少なくなったシニア世代にとって、園芸や家庭菜園は、日々の暮らしに予定や役割をつくるきっかけになります。
総務省が2016年の社会生活基本調査を基にまとめた資料では、65歳以上の趣味・娯楽の中で、「園芸・庭いじり・ガーデニング」は行動者率が最も高い活動でした。調査時点は古いものの、園芸がシニア世代にとって身近な趣味であることを示す資料の一つです。(総務省統計局)
一方で、「家庭菜園をすれば認知症を予防できる」と単純に言い切ることはできません。
園芸活動と認知機能、心身の健康との関係を調べた研究では、心の健康、生活の質、身体活動、社会的な交流などに良い影響を与える可能性が報告されています。しかし、研究方法や対象者にはばらつきがあり、園芸だけで認知症を防げると証明されたわけではありません。(スプリンガーリンク)
大切なのは、家庭菜園を特別な治療法として考えることではなく、体を動かし、頭を使い、人と関わり、季節を感じる生活習慣の一つとして楽しむことです。
この記事では、シニア世代の家庭菜園が生きがいづくりにつながる理由と、体に負担をかけずに続ける工夫、鳥や小動物による被害で諦めないための対策について紹介します。
「今日は水やりをする」という小さな予定ができる
仕事をしている間は、起床、通勤、会議、昼休み、帰宅など、一日の予定が自然に決まっていた方も多いでしょう。
退職後は自由な時間が増える一方で、「今日は何をしよう」と迷う日が増えることがあります。
家庭菜園を始めると、生活の中に小さな予定が生まれます。
朝になったら土の乾き具合を見る。
新しい葉が出ていないか確認する。
支柱が傾いていたら直す。
収穫できそうな実を探す。
こうした作業は、必ずしも長時間行う必要はありません。
5分程度庭に出て植物を確認するだけでも、昨日との違いに気づくことがあります。
「トマトの実が少し赤くなった」
「種をまいた場所から芽が出た」
「雨が続いたので、今日は水をやらなくてもよさそうだ」
植物は毎日少しずつ変化します。
その変化を観察することが、日々の生活にリズムと張り合いをつくります。
家庭菜園は無理のない身体活動になる
家庭菜園には、水やり、苗植え、草取り、支柱立て、収穫など、さまざまな動作があります。
立ったり、歩いたり、腕を動かしたりするため、体力に合わせて行えば、日常生活の中で体を動かす機会になります。
米国国立老化研究所は、身体活動は健康的に年齢を重ねるうえで重要であり、年齢を問わず健康面での利点が期待できると説明しています。(NIA)
ただし、家庭菜園は運動競技ではありません。
長時間の草取りや、重い土袋の運搬、深い穴掘りなどは、腰、膝、肩に大きな負担をかける場合があります。
健康のために始めた家庭菜園で体を痛めてしまっては、長く続けられません。
シニア世代の家庭菜園では、「どれだけ作業したか」ではなく、「翌日に疲れを残さず続けられるか」を基準にしましょう。
例えば、次のような方法があります。
プランター2~3個から始める
軽量のスコップやジョウロを選ぶ
立ったまま使える長柄の道具を使う
脚付きプランターでかがむ回数を減らす
土や肥料は少量ずつ運ぶ
作業時間を15分程度に区切る
暑い日や雨上がりは無理に作業しない
毎日少しずつ動くことを目的にし、一度にすべて終わらせないことが大切です。
植物を育てることは頭を使う活動でもある
家庭菜園では、体だけでなく頭も使います。
何を育てるか決める。
種をまく時期を考える。
天気予報を見て水やりを調整する。
苗の間隔を考える。
葉の色や成長の変化を観察する。
収穫時期を判断する。
こうした一つひとつの作業には、計画、記憶、判断、問題解決が含まれています。
園芸活動と認知機能の関係を調べた研究では、園芸が複数の認知的・身体的活動を含むことから、認知機能を支える可能性が検討されています。ただし、現時点では、家庭菜園を行えば認知症を防げると断定できるほどの根拠はありません。(オープンエクスプロレーション出版)
そのため、「認知症にならないために毎日作業しなければ」と義務にする必要はありません。
昨日との違いを探す。
育て方を本やインターネットで調べる。
うまく育たなければ原因を考える。
このように、楽しみながら考える時間を持つことに意味があります。
季節の変化を感じられる
家庭菜園を始めると、気温、日の長さ、雨の量、風の強さなど、季節の変化に敏感になります。
春には種をまき、夏には水切れに注意し、秋には収穫や片づけを行い、冬には翌年の栽培計画を考える。
植物を通じて一年の流れを感じられることは、家庭菜園の大きな魅力です。
同じ野菜を育てても、毎年同じ結果になるとは限りません。
去年はよく育ったトマトが、今年は暑さで弱ることもあります。
反対に、あまり期待していなかった野菜が、思いがけずたくさん収穫できることもあります。
自然を相手にする家庭菜園には、すべてを思いどおりにできない面があります。
しかし、その予想外の変化が、次の季節を楽しみにする理由になります。
収穫が家族や地域との会話を生む
家庭菜園で採れた野菜は、食べるだけでなく、人との会話を生みます。
「今年はキュウリがたくさん採れた」
「このミニトマトは孫が植えた苗からできた」
「少し形が悪いけれど、味はおいしい」
こうした話題は、家族や友人、近所の方との交流のきっかけになります。
一人では食べ切れない野菜をおすそ分けすることで、自然に会話が生まれることもあります。
厚生労働省は、介護予防には運動、栄養、口腔、社会参加などを組み合わせることが重要だと案内しています。特に、趣味の集まりや地域活動など、人と関わる社会参加は、体力や気力を保つ土台の一つとされています。(地域がいきいき 集まろう!通いの場 厚生労働省)
家庭菜園は、一人でも始められます。
一方で、育てた野菜を家族に渡す、近所の方と育て方を話す、貸し農園でほかの利用者と交流するなど、人とのつながりを広げることもできます。
園芸そのものだけでなく、園芸を通じて生まれる会話や役割が、生きがいづくりにつながることがあります。
孫と一緒に楽しめる
家庭菜園は、世代を超えて一緒に取り組みやすい活動です。
孫と種をまく。
毎週、苗の高さを測る。
花が咲いた数を数える。
収穫した野菜を一緒に料理する。
こうした体験は、野菜がどのように育つのかを学ぶ機会になります。
スーパーでは一年を通して多くの野菜が販売されていますが、実際に育ててみると、季節、天候、土、水の大切さが分かります。
ただし、肥料、園芸資材、忌避資材などは食品ではありません。
小さな子どもと一緒に作業する場合は、資材を口に入れたり、目をこすったりしないよう見守り、作業後には手を洗いましょう。
収穫した野菜も、土やほこり、動物のフンなどが付着している可能性があるため、十分に洗ってから食べることが基本です。
うまく育たなくても失敗ではない
家庭菜園を始めると、収穫量や見た目にこだわりすぎてしまうことがあります。
しかし、家庭菜園は農作物を大量に生産する仕事ではありません。
芽が出なかった。
虫に葉を食べられた。
実が大きくならなかった。
収穫直前に鳥につつかれた。
このようなことは、家庭菜園では珍しくありません。
失敗したと感じたら、「次は植える場所を変えてみよう」「来年はネットを早めに設置しよう」と考える材料にできます。
一つでも収穫できれば、その経験は翌年につながります。
完璧を目指さず、植物の変化を楽しむことが、長く続けるポイントです。
長く楽しむには、管理する量を増やしすぎない
家庭菜園に慣れてくると、育てる野菜やプランターを増やしたくなります。
しかし、栽培する量が増えれば、水やり、草取り、肥料、支柱、収穫、片づけの作業も増えます。
特に夏場は、プランターの土が乾きやすく、毎日の水やりが大きな負担になることがあります。
まずは、自分が管理できる範囲を把握しましょう。
「去年はプランター3個で無理なく管理できたから、今年は1個だけ増やす」
「トマトの手入れが大変だったので、今年は葉物野菜を中心にする」
このように少しずつ調整すると、体力や生活に合わせて続けられます。
体調が優れない年は、栽培を休んだり、鉢植えの花だけにしたりしても問題ありません。
家庭菜園は、続けることが義務ではありません。
自分の状態に合わせて規模を変えられることも、家庭菜園のよさです。
鳥獣被害が家庭菜園を諦める原因になることも
大切に育てた野菜が、収穫直前にカラスにつつかれたり、夜間に小動物に荒らされたりすると、大きなショックを受けます。
何度対策しても被害が続くと、「もう家庭菜園をやめよう」と考えてしまうこともあります。
庭や家庭菜園では、地域によって次のような被害が起こります。
カラスやハトによる食害
イノシシやハクビシンなどによる畑の荒らし
猫によるフンや掘り返し
モグラによる盛り土やトンネル跡
ネズミなどによる作物のかじり跡
鳥獣被害対策では、まず被害を起こしている動物を確認することが重要です。
土が盛り上がっていても、作物を食べている動物は別にいるかもしれません。
果実につつき跡があれば鳥、畝が大きく崩されていれば中型・大型の動物など、足跡、フン、穴、被害が起きる時間帯も確認しましょう。
対象を誤ると、資材を使っても期待した対策にはなりません。
シニア世代の獣害対策は「管理の手間」まで考える
獣害対策用品には、ネット、柵、金網、音や光を使う機器、捕獲器、忌避資材などがあります。
対策を選ぶ際は、効果だけでなく、設置や管理に必要な負担も確認しましょう。
例えば、高い防鳥ネットは広い範囲を守れますが、支柱を立てたり、風で外れた部分を直したりする必要があります。
電気を使う機器は、電池交換、充電、配線の確認が必要です。
金網を地中へ埋めるには、穴を掘る作業が伴います。
設置時には対応できても、数か月後も同じように管理できるとは限りません。
シニア世代の家庭菜園では、次の点を確認することが大切です。
一人で持ち運べる重さか
腰を曲げずに設置できるか
定期的な電池交換が必要か
雨や風の後に修理が必要か
草刈りなどの管理が増えないか
使用後の回収や処分が難しくないか
一度の対策で完全に解決しようとせず、続けられる方法を組み合わせましょう。
撒くだけ・置くだけで使える自然由来資材
重い柵や大型の装置を扱うことが難しい場合は、撒いて使う資材や、気になる場所へ置いて使う資材も選択肢になります。
ECOxCOでは、天然乾燥ヒトデを使用した自然由来資材を取り扱っています。
マリンスター
マリンスターは、天然乾燥ヒトデを使用した撒布タイプの資材です。
家庭菜園、畑、庭の周囲など、鳥や小動物の侵入が気になる場所で、近寄りにくい環境づくりを目的として使用します。
袋から出して撒く方法を基本とするため、重い機材の設置や電源の確保を必要としません。
マリンスターDX
マリンスターDXは、天然乾燥ヒトデと月桃由来成分を使用した、小分けの置き型資材です。
不織布に入っているため、直接撒きにくい場所や、置いて管理したい場所に取り入れやすい商品です。
もぐらバイバイ
もぐらバイバイは、天然乾燥ヒトデを使用した撒布用資材です。
モグラの盛り土やトンネル状の跡が見られる場所など、地中での活動が疑われる範囲に使用します。
これらは農薬のように作物へ散布し、病害虫を駆除する商品ではありません。
対象となる動物を殺傷・捕獲するものでもなく、においや環境の変化によって近寄りにくい環境づくりを目指す資材です。
使用後の状況は、対象動物、天候、設置場所、雨量、周辺環境などによって異なります。
完全な侵入防止や被害解消を保証するものではないため、ネット、柵、餌の撤去、侵入口の封鎖などと組み合わせて使用します。
天然由来でも正しい使い方が必要
天然由来の資材であっても、食品ではありません。
「自然のものだから、どこにでも自由に使える」と考えず、商品の用途と注意事項を確認してください。
小さな子どもやペットの手が届かない場所に保管する
作物の可食部分へ直接使用しない
使用時は手袋を着用する
使用後は手を洗う
目や口に入らないよう注意する
強風の日の撒布を避ける
用途以外に使用しない
商品ごとの使用方法と使用量を確認する
子どもや孫が庭へ入る場合は、資材を使用した場所を分かるようにしておくと安心です。
まとめ|家庭菜園は心と体を動かす生活の楽しみ
家庭菜園を行えば、必ず認知症を予防できるわけではありません。
しかし、園芸には、体を動かす、植物の変化を考える、季節を感じる、収穫を人と分かち合うなど、健康的な生活を支える複数の要素が含まれています。
園芸や園芸療法についての研究でも、心の健康、生活の質、身体面、社会面に良い影響を与える可能性が示されています。一方で、認知機能への効果については研究結果にばらつきがあり、今後も質の高い研究が必要とされています。(スプリンガーリンク)
認知症予防のために無理をして作業するのではなく、自分が楽しいと思える範囲で続けることが大切です。
プランター一つでも、毎朝見る楽しみが生まれます。
一つの野菜を収穫するだけでも、家族との会話が生まれます。
そして、鳥や小動物の被害が発生したときは、重い柵や複雑な設備だけでなく、撒くだけ・置くだけで使える自然由来資材も選択肢になります。
「体力に負担をかけずに鳥獣対策をしたい」
「何の動物が来ているのか分からない」
「家庭菜園の広さに合う資材を知りたい」
「孫やペットがいる庭での使い方を相談したい」
このようなお悩みがある方は、ECOxCOへお問い合わせください。
庭や家庭菜園の状況を確認しながら、無理なく続けられる対策を一緒に考えます。
家庭菜園を義務にするのではなく、今日の小さな変化を楽しむ時間として、ゆっくり続けていきましょう。







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