ベランダの鳥よけグッズ比較|テグス・ネット・忌避剤はどう使い分ける?
- Hidemitsu Noguchi
- 7月19日
- 読了時間: 15分

ベランダで大切に育ててきたトマトやイチゴが、収穫直前になって鳥につつかれてしまった。朝、カーテンを開けると、プランターの土が散らかり、手すりには鳥のふんが残っていた。
ベランダ菜園を楽しんでいる方の中には、このような鳥害に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
鳥よけ対策を調べると、テグス、防鳥ネット、反射テープ、鳥よけ模型、超音波機器、忌避剤など、さまざまな商品が見つかります。しかし、対策の仕組みや向いている場所が異なるため、どれか一つを設置すれば、すべての鳥害を防げるとは限りません。
ベランダという限られた空間では、被害の場所や程度を確認し、**「止まらせない」「侵入させない」「餌場にしない」「近づきにくい環境をつくる」**という複数の考え方を組み合わせることが大切です。
この記事では、代表的な鳥よけグッズであるテグス、防鳥ネット、におい由来の忌避資材について、それぞれの特徴、向いているケース、設置時の注意点を解説します。
目次
ベランダに鳩やカラスが来る原因
対策前に確認したい被害の種類
テグスの特徴と使い方
防鳥ネットの特徴と使い方
におい由来の忌避資材の特徴
鳥よけグッズの比較
被害レベル別の組み合わせ方
マンション・賃貸住宅での注意点
鳥よけ対策でよくある失敗
まとめ
ベランダに鳩やカラスが来るのはなぜ?
鳥がベランダに来る理由は、野菜や果実を食べるためだけではありません。
鳥にとってベランダの手すりや室外機の上は、一時的に羽を休めたり、周囲を見渡したりできる場所です。外から見えにくい隙間や、人の出入りが少ない場所は、鳩にとって休憩場所や営巣候補になり得ます。
また、ベランダに次のようなものが残っていると、鳥を誘引する原因になります。
熟した野菜や果実
落ちた実や種
ペットフード
生ごみや食品の容器
水の入った容器
巣材として使えるひもや枝
人目につきにくい物陰
環境省は、野生鳥獣対策において、未収穫作物や生ごみなどを適切に管理し、鳥獣を誘引しない環境づくりが重要だと示しています。千葉市も、餌の食べ残しを屋外に放置しないことや、鳥が利用できるものを減らすことを対策として案内しています。
したがって、鳥よけグッズを設置する前に、まずはベランダを鳥にとって魅力の少ない場所にすることが基本です。
対策前に「どこで何が起きているか」を確認する
鳥よけグッズを選ぶときは、最初に被害の種類を整理しましょう。
同じベランダでも、次のように状況によって適した対策が異なります。
手すりに鳥が止まる
手すりに止まり、ふんを落とすケースでは、鳥が着地できないようにする対策が必要です。テグスや鳥よけワイヤーなどが選択肢になります。
プランターの野菜や果実が食べられる
作物への直接的な食害には、防鳥ネットのように物理的に接触を遮る方法が基本です。
ベランダの中を歩き回る
鳥が床面まで入ってくる場合は、手すりだけでなく、ベランダの開口部全体や侵入経路を確認する必要があります。
鳩が繰り返し訪れ、巣材を運んでいる
営巣が始まりかけている可能性があります。巣や卵がある場合には、自己判断で撤去せず、管理会社や自治体、専門業者へ相談してください。野鳥の捕獲や卵の採取などは、鳥獣保護管理法上の規制対象となる場合があります。
テグス(防鳥糸)の特徴
テグスは、透明または半透明の糸を手すりの上などに張り、鳥が止まりにくい状態をつくる方法です。
名古屋市の野生鳥獣に関する案内でも、鳩が手すりに止まりにくくなるよう、手すりの上にテグスやピアノ線を平行に張る方法が紹介されています。
テグスのメリット
テグスの大きな利点は、ネットに比べて外観を大きく変えにくいことです。
透明な糸であれば遠くから目立ちにくく、開放感をできるだけ残したいベランダでも取り入れやすいでしょう。資材自体が比較的軽く、広いネットを張るよりも設置作業が小規模で済む場合があります。
特に次のような状況に向いています。
鳥が手すりだけに止まっている
まだベランダ内部までは侵入していない
外観を大きく変えたくない
ネットを張る前に軽度の対策を試したい
テグスのデメリット
テグスは、プランター全体への侵入を完全に防ぐものではありません。設置位置や本数が適切でなければ、鳥が糸のない場所に止まったり、横からベランダ内へ入ったりする可能性があります。
また、糸が緩んだり切れたりすると、十分な機能を果たせません。強風や経年劣化も考慮し、定期的に張り具合を確認する必要があります。
透明な糸は人にも見えにくいため、洗濯物を干すときや掃除をするときに引っ掛からない位置に設置しましょう。鳥の足や羽が絡むような危険な張り方も避けなければなりません。
テグスが向いていないケース
すでに鳥がベランダ内に入り込み、床面を歩いたり、プランターを荒らしたりしている場合には、手すりだけのテグスでは不十分です。
その場合は、防鳥ネットによる開口部の遮断や、餌・巣材の撤去などを組み合わせる必要があります。
防鳥ネットの特徴
防鳥ネットは、鳥がベランダやプランターへ物理的に入れないようにする対策です。
名古屋市は鳩が物理的に侵入できないよう、防鳥網を設置する方法を案内しています。環境省のカラス対策資料でも、ネットは鳥と餌となる対象の接点を断つ方法として示されています。
防鳥ネットのメリット
適切な範囲を隙間なく覆うことができれば、鳥と野菜・果実との接触を物理的に遮断できます。
そのため、次のような被害に向いています。
トマトやイチゴなどが食べられている
プランターの土を掘り返されている
鳩がベランダ内部へ入っている
同じ場所に何度も鳥が来ている
収穫直前の作物を重点的に守りたい
プランターごとに小さく覆う方法と、ベランダの開口部全体に張る方法があります。軽い食害であれば、作物の周囲だけを覆う方法でも対応できる場合があります。
防鳥ネットのデメリット
防鳥ネットは、設置方法が不十分だと隙間から侵入されることがあります。ネットの下部や側面が開いていたり、風でめくれたりすると、せっかく設置しても十分に機能しません。
千葉市もカラスネットについて、おもりを付けて横から入り込めないようにすることを案内しています。用途はごみ対策ですが、ネットは「掛けるだけ」ではなく、端部まで適切に固定する必要があるという点は、ベランダでの設置にも通じます。
また、次のような管理上の課題もあります。
水やりや収穫時に開閉が必要
強風時にあおられる可能性がある
支柱や固定具が必要になる
外観が変わる
避難経路を妨げるおそれがある
ネットのたるみに鳥が絡む危険がある
目の粗さ、素材、設置対象、固定方法を確認し、鳥や人に危険が生じないように施工してください。
におい由来の忌避剤・忌避資材の特徴
におい由来の忌避資材は、鳥が不快に感じるとされるにおいや刺激を利用し、近づきにくい環境づくりを目指すものです。
置く、吊るす、散布するといった方法で使えるため、ネットやワイヤーより設置の手間が少ない商品もあります。
ただし、ここで注意したいのは、においだけで鳥の侵入や食害を物理的に遮断することはできないという点です。
風向き、雨、設置場所、周辺環境、対象となる鳥の行動などによって、感じ方や持続期間は変わります。野生動物は刺激に慣れる可能性もあるため、忌避資材だけに依存せず、ネットや清掃、収穫管理などと組み合わせる考え方が現実的です。農林水産省が掲載する鳥獣対策研究でも、忌避資材については動物の「馴れ」を考慮した運用が課題として扱われています。
マリンスター・小分けタイプについて
ECOxCOで取り扱う「マリンスター・小分けタイプ」は、天然乾燥ヒトデを不織布に入れた自然由来の忌避資材です。気になる場所に置く、または吊るして使用します。
ベランダで使用する場合は、次のような使い方が考えられます。
鳥が止まりやすい手すり付近に吊るす
プランターの近くに設置する
鳥の侵入経路と思われる場所に置く
テグスや防鳥ネットの補助として使う
マリンスターは、鳥を捕獲したり、殺傷したりする商品ではありません。また、防鳥ネットのように侵入を物理的に防ぐものでもありません。
設置環境によって結果は異なるため、食害が続いている場合や、鳥がすでに居着いている場合は、防鳥ネットや侵入経路の遮断を優先し、補助的な環境対策として組み合わせてください。
「自然由来=必ず安全」ではない
天然由来の資材であっても、食品ではありません。子どもやペットが触れたり、誤って口に入れたりしない場所へ設置してください。
また、天然乾燥ヒトデには独特のにおいがあります。洗濯物や室内へのにおい移りが気になる場合は、窓や洗濯物から距離を取り、最初は少量から確認することをおすすめします。
テグス・ネット・忌避資材の比較
対策方法 | 主な役割 | 向いている状況 | メリット | 注意点 |
テグス | 手すりへの着地を妨げる | 手すりに止まる軽度の被害 | 目立ちにくい、比較的設置しやすい | 張り方や位置で差が出る。内部への侵入は防げない |
防鳥ネット | 侵入・接触を物理的に遮断する | 食害、土荒らし、繰り返す侵入 | 適切に設置すれば作物を直接守りやすい | 隙間、固定、強風、開閉、避難経路に注意 |
忌避資材 | 近づきにくい環境づくりを補助する | 軽度の飛来、物理対策の補助 | 置く・吊るすなど導入しやすい | 単独で侵入を防げない。環境により結果が異なる |
清掃・餌の管理 | 鳥を誘引する要因を減らす | すべてのベランダ | 費用が少なく、他の対策の土台になる | 継続的な管理が必要 |
「どれが一番優れているか」ではなく、何を防ぎたいのかで選ぶことが重要です。
被害レベル別の使い分け方
レベル1:たまに手すりへ止まる
まだふん害や食害が少ない段階では、清掃と餌になるものの撤去を行い、手すりへのテグス設置を検討します。
補助的に忌避資材を設置し、鳥にとって落ち着きにくい環境をつくる方法もあります。
レベル2:野菜をつつかれる、ふんが増えている
作物への食害が始まっている場合は、プランターを防鳥ネットで覆る方法を優先します。手すりへのテグス、忌避資材、早めの収穫を組み合わせます。
完熟を待つ必要のない野菜は、被害が続く期間だけ少し早めに収穫することも検討しましょう。
レベル3:毎日のように侵入する、鳩が居着いている
開口部全体への防鳥ネットなど、侵入経路を物理的に遮断する対策が中心になります。
室外機の裏、収納物の隙間、棚の下など、鳥が身を隠せる場所も整理します。集合住宅では自己判断で大規模な施工をせず、管理会社または管理組合へ相談してください。
レベル4:巣や卵、ひながある
巣の中に卵やひながいる場合、勝手に撤去できない可能性があります。自治体、管理会社、専門業者に相談し、法令に沿って対応してください。
マンションや賃貸住宅で注意したいこと
マンションのバルコニーは、住戸の居住者が日常的に使用していても、建物上は共用部分として扱われ、専用使用権が設定されているケースが一般的です。ただし、実際の扱いや使用条件はマンションごとに異なるため、管理規約の確認が必要です。国土交通省のマンション管理・再生ポータルでも、バルコニーは専用使用権が設定される代表的な場所として挙げられています。
次の点を確認してから設置しましょう。
防鳥ネットや支柱を設置してよいか
手すりや外壁へ穴を開けてよいか
外観に関する制限がないか
避難はしごをふさいでいないか
隣戸との隔て板の前に物を置いていないか
強風時に資材が飛散しないか
においが隣戸へ流れないか
特に避難はしごや隔て板の周辺には、プランター、ネット、固定具、忌避資材を置かないようにしてください。
賃貸住宅では、退去時の原状回復も考慮し、壁や手すりを傷付けない固定方法を選びましょう。
鳥よけ対策でよくある失敗
1.被害が出てから慌てて設置する
鳥が安全な餌場や休憩場所として利用し始めてからでは、簡単な対策だけで行動を変えにくい場合があります。
野菜が色づく前や、鳥が手すりに止まり始めた段階で対策を始めましょう。
2.一つの商品だけに頼る
反射物、音、模型、においなどの刺激だけでは、鳥が慣れる可能性があります。
清掃、テグス、ネット、忌避資材を、被害に応じて使い分けることが重要です。
3.ネットを軽く掛けるだけ
ネットの下や横に隙間があれば、鳥が入り込む可能性があります。端部を確認し、風でめくれないよう固定してください。
4.落ちた実や餌を放置する
鳥よけグッズを設置しても、食べ物が残っていれば鳥を誘引します。落果、種、ペットフード、水などを放置しないことが基本です。
5.管理規約や避難経路を確認しない
効果を優先するあまり、避難設備や共用部分の利用ルールを損なってはいけません。集合住宅では、安全と規約の確認を先に行いましょう。
ベランダの状況に合わせて組み合わせる
ベランダの鳥よけ対策では、次の順番で考えると整理しやすくなります。
餌、落果、巣材、水などを片付ける
鳥が止まる場所と侵入経路を確認する
手すりへの着地にはテグスを検討する
作物への接触には防鳥ネットを使う
補助的に忌避資材を組み合わせる
資材の緩み、破損、においの状態を点検する
被害が続く場合は管理会社や専門業者へ相談する
軽度の被害であれば、清掃、テグス、マリンスター・小分けタイプの組み合わせから始める方法があります。
一方、すでに野菜が繰り返し食べられている場合は、防鳥ネットを中心に据え、忌避資材は補助的に使う方が現実的です。
まとめ|物理対策を基本に、環境対策を組み合わせよう
テグス、防鳥ネット、におい由来の忌避資材には、それぞれ異なる役割があります。
テグス:手すりに止まりにくくする
防鳥ネット:作物への侵入・接触を物理的に防ぐ
忌避資材:近づきにくい環境づくりを補助する
清掃・収穫管理:鳥を誘引する原因を減らす
確実性を重視する場合は、適切に設置した防鳥ネットが中心になります。見た目への影響を抑えながら、手すりへの着地を防ぎたい場合にはテグスが候補です。
マリンスター・小分けタイプのような忌避資材は、置く・吊るす方法で取り入れやすく、テグスやネットと併用できます。ただし、物理的に鳥を遮断する商品ではないため、被害の程度に合わせて使い分けることが大切です。
大切に育てた野菜を守るためにも、被害が大きくなる前に、ベランダの状況を一度確認してみましょう。
マリンスター・小分けタイプ
マリンスター・小分けタイプは、天然乾燥ヒトデを不織布に入れた、置く・吊るすタイプの自然由来忌避資材です。
ベランダ、軒下、物置など、鳥や小動物の飛来・侵入が気になる場所の環境管理に使用できます。
※本製品は農薬ではありません。 ※対象となる動物を捕獲・殺傷・駆除する商品ではありません。 ※使用環境、設置方法、対象動物の行動などにより結果は異なります。
引用・参考資料
国土交通省「マンション管理・再生ポータルサイト 専用使用権とは何ですか」 バルコニーなどの共用部分と専用使用権に関する説明。
国土交通省「中高層共同住宅標準管理規約」 バルコニーの専用使用および工作物・外観に関する考え方。
環境省「カラス対策マニュアル」 ネットを使用して鳥と餌の接点を遮断する考え方。
環境省「鳥獣保護管理法の概要」 未収穫作物や生ごみなど、鳥獣を誘引する要因の適切な管理について。
名古屋市「野生鳥獣等に関する相談Q&A集」 鳩の侵入防止、防鳥網、テグス等を用いた追い払い方法。
千葉市「野生動物による生活上の被害対策」 餌の放置防止、ネットの固定、鳥を誘引しない環境管理。
農林水産省「鳥獣対策に係る国・都道府県の研究・技術情報」 忌避資材に対する動物の馴れと、使用条件に関する研究情報。
農林水産省「農薬コーナー」 農薬登録制度と使用基準に関する説明。
記事索引
カラス対策 鳥を誘引する原因、ネット、餌の管理、忌避資材の併用を参照。
鳩対策 手すりへのテグス、防鳥ネット、営巣時の注意点を参照。
テグス 「テグス(防鳥糸)の特徴」を参照。
防鳥ネット 「防鳥ネットの特徴」を参照。
忌避剤・忌避資材 「におい由来の忌避剤・忌避資材の特徴」を参照。
マンション管理規約 「マンションや賃貸住宅で注意したいこと」を参照。
マリンスター 「マリンスター・小分けタイプについて」を参照。
用語集
鳥害
鳥の飛来、食害、ふん、鳴き声、営巣などによって、人の生活や農作物に生じる被害の総称です。
テグス
主に釣り糸などに使用される透明または半透明の糸です。鳥よけでは、手すりなどに張り、鳥が着地しにくい状態をつくる目的で使われます。
防鳥ネット
鳥の侵入や、作物への接触を物理的に遮断するための網です。防鳥網とも呼ばれます。
忌避資材
におい、味、刺激などを利用し、対象となる動物が近づきにくい環境づくりを目的とする資材の一般的な呼び方です。ただし、「忌避剤」という名称の商品がすべて同一の法的位置付けにあるわけではありません。農作物の病害虫防除を目的とする製品では、農薬登録の有無を確認する必要があります。農薬は天然由来か化学合成かだけで区別されるものではなく、用途や表示、登録状況によって判断されます。
専用使用部分
マンションの共用部分のうち、特定の住戸の居住者が通常使用できる部分です。バルコニーなどが該当することがありますが、具体的な扱いは各マンションの管理規約によって異なります。
鳥獣保護管理法
野生鳥獣の保護・管理や狩猟などについて定めた法律です。野鳥や卵の捕獲・採取は、原則として許可なく行えない場合があるため、営巣時には自治体等への確認が必要です。
免責事項
本記事は、ベランダにおける一般的な鳥害対策について情報を提供するものであり、特定の商品や方法による効果を保証するものではありません。
鳥の種類、行動、周辺環境、建物の構造、季節、設置方法、気象条件などにより、対策の結果は異なります。被害が継続する場合や、巣、卵、ひなが確認された場合は、管理会社、管理組合、自治体または専門業者へご相談ください。
マンションや賃貸住宅で設備や資材を設置する際は、管理規約、賃貸借契約、消防・避難上のルールを必ず確認してください。
マリンスターシリーズは、対象動物を捕獲、殺傷または駆除する商品ではありません。また、農薬として登録された製品ではありません。商品表示および使用上の注意を確認し、用途に沿って使用してください。





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